2017年「声優本人名義歌唱曲」10選
声優の本分は演じることであり、2017年もお芝居を通して多くの魅力的な声優に出会えました。
一方で、そんな彼ら彼女らが思い思いの姿勢で向き合うことになる”本人名義での歌唱”という仕事を通しても、声優という職業に対する個人たちの思いを読み取ることができるのではないかと思います。
そんな2017年の声優たちの歌から10曲。
※以下、数字は順位ではありません。
1. TrySail
『adrenaline!!!』
TrySail 『adrenaline!!!』-Music Video YouTube EDIT ver.-
MVをコマ送りするオタクと化しました。
奇をてらうわけでもなくまっすぐリスナーの心を掴み、タイアップとしても高レベルで成立するバランス感覚はさすが大手といった印象で本当にあっぱれだと思います。
それでいてライブ定番曲という役割まで持たせているのだから、まったく完璧と言うほかないでしょう。
他アーティストにも追随してほしいプロデュース力。
そういえば”デコ出しーな”になる前の夏川さんですね。どちらも好きです。
こちらもどうぞ:『かかわり』
recochoku.jp
2. 斉藤壮馬
『ヒカリ断ツ雨』
斉藤壮馬 『ヒカリ断ツ雨』(Music Clip Short Ver.)
作品補正もあるのかもしれませんが、男性声優曲で唯一のランクインです。
サビをひとたび聴けば、壮馬斉藤、歌いけるやん!と感じてもらえると思います。
歌声の持つセクシーさを、壮大に響くストリングスの中でカッコいい方面に活かした、”彼のために作られた”シンフォニックロックになっています。
3. 内田真礼
『Smiling Spiral』
内田真礼ミニアルバム「Drive-in Theater」/「Smiling Spiral」MV short Ver.
最初にハマったときは底抜けに明るくノれる田淵ロックとして聴いていたんですが、実はめちゃくちゃなエモさを秘めているということに気がつきました。
ライブの終幕を彩るさまを想像して(諸事情でライブ行ってないので)聴くと、不思議と涙が溢れてくると思います。私の涙腺がガタガタなだけかもしれません。
4. 東山奈央
『君と僕のシンフォニー』
東山奈央 「君と僕のシンフォニー」 Music Video (2chorus)
どストライクな曲に出会ったとき、大げさにも「音楽を好きでよかった!」と思ったりするんですが、まさにそんな思いをした一曲です。
爽やかかつどこか切ないメロディが、ひたすらまっすぐに心に飛び込んでくるピアノロック。
来年にはこれを武道館で聴けるんですよね。想像するだけで心がギュッとなるんですが、当日とか大丈夫ですかね。
MVをぜひ見てください。サビ前のジャンプ。エモい。
こちらもどうぞ:『オトメイロ』
東山奈央 1stアルバム「Rainbow」クロスフェード動画 Vol.1 - YouTube
5. 伊藤美来
『ワタシイロ』
「ワタシイロ」Teaser / 伊藤美来
「ワタシイロ」Special Trailer / 伊藤美来
2つ続けてご覧ください。
Teaserで流れる曲は『Overture ~Invitation to the aquaveil~』、またSpecial Trailerではどの製品にも収録されない特別編集版で『ワタシイロ』のMVが展開されています。
およそ3日の間を空けて公開されていったこれらの映像に、恐ろしいほどわくわく、ぞくぞくする感覚に襲われ、”ソロアーティスト伊藤美来”の在り方に完全に虜にされてしまいました。
『Shocking Blue』に出会いこんな考え
伊藤美来ソロが「伊藤美来がこんな曲を歌います」じゃなくて「こんな曲を歌うとこんな伊藤美来になります」だという心意気が見えてきたのですごくよい
— ろくげん (@ex_odayaka) 2017年4月2日
にたどり着いた2017年、その年内にソロ活動がこんなにも素晴らしい形でアルバムとして結実するとは、本当に良い制作陣に恵まれたんだなと思います。
伊藤美来ソロはこの形にたどり着いた以上、どんな曲が来ようとも「伊藤美来の曲」となり、新しい「伊藤美来の色」を見せてくれるのだと、希望を持って言えるでしょう。
来年もさっそくそんなリリース(守りたいもののために / 伊藤美来 - YouTube)が控えているようで、楽しみはまだまだ続きます。
6. 大橋彩香
『ワガママMIRROR HEART』
【試聴動画】大橋彩香5th Single「ワガママMIRROR HEART」Music Video
ありがとうございました(完)(オタク)(感謝の世界)(これぞ希望の光)(サビ後Dサビで差をつけろ)
”これ”を聴くために自分はアニメ・声優ソングを聴いているんだ!と自覚してしまった無欠なる一曲。
オタクみーーんな今年の1曲にこれ挙げてる。わかる。
7. 夏川椎菜
『グレープフルーツムーン』
グレープフルーツムーン | ビデオ | ソニーミュージック オフィシャルサイト
夏川さんソロデビューが今年なんですね。
彼女自身が強烈な個性で押していくようなキャラクターではないと思うので、ソロ活動で何らかの路線を押し出せるのだろうか、といらぬ心配をしていたりもしましたが、このシングルが全くもってふっ飛ばしてくれました。
シングル収録の2曲目『Daisy Days』が理想的な自己紹介ソングになっていて、3曲目『gravity』が明るく親しみやすい、けれどちょっと手の届かない憧れ、といった”夏川椎菜”の像を描き出す曲になっている中で、この『グレープフルーツムーン』を表題曲に持ってくる感覚が、彼女のソロ活動の全体像を物語っているように感じます。
この感覚は2ndシングル『フワリ・コロリ・カラン・コロン』にも引き継がれているのではないでしょうか。ぜひ、c/wの『ナイモノバカリ』を聴いてほしいと思います。
8. 雨宮天
『Fleeting Dream』
recochoku.jp
たぶん雨宮天ソロの中で一番好きです。
先日のライブではエンディングのBGMに使われていて、明るい幕引きといった趣の曲をこのタイミングで獲得したのは必然の意図があったのかなとも思いいます。
飛行機の離陸時に聴くととてもワクワクするのでおすすめです(?)
9. every♡ing
『ちゅるちゅるちゅちゅちゅ』
【every♥ing!】ちゅるちゅるちゅちゅちゅ MV【Short ver.】
こちら、ご注文の女性声優デート映像になります。
女の子が二人いる絵で視線が互いを捉えているのが百合、視線がカメラを向いているのがハーレムものとはよく言ったものですが、女性声優デート映像で言えばこちら(Pyxis(ピクシス) / Pop-up Dream - YouTube)が前者、そして『ちゅるちゅるちゅちゅちゅ』は後者にあたるでしょう(次元の混同)。
2人が可愛いのはもちろんなんですが、曲自体もクオリティの高い丁寧なつくりになっています。
低音の効いたシンプルなサウンドでよくわかるメロディの良さに、サビでもキラキラ感を抑え、曲だけでも”ワクワクと緊張が入り交じる3回目のデート”のような気持ちを感じることができる一曲になっていると思います(オタク)。
こちらもどうぞ:『笑顔でサンキュー』
【every♥ing!】笑顔でサンキュー! Music Video (Short ver.) - YouTube
10. 小澤亜李(featured by ヒゲドライバー)
『マカロンが食べたい』
soundcloud.com
これもまた「エモい」のひとつの形。
紛れもなく”小澤亜李”本人の歌声なんですよね。
自分の仕事に対してまっすぐすぎるほどまっすぐな彼女の姿勢を様々な媒体で受け取った1年でした。
そんな彼女の初めての本人名義歌唱は、初の主演を務めた『月刊少女野崎くん』で彼女がキャラクターとして歌唱したEDテーマ『ウラオモテ・フォーチュン』のヒゲドライバー氏からのオファーで実現されました。
作品だけでなく、彼女自身も時を越えて周囲から愛され続けているということがこの一曲を通して可視化されたように思えます。
というわけで2018年も、より多くの声優たちが、本人名義での歌唱という機会を通して様々な視点に出会うことのできる年であることを願って。