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2019年「楽曲」10選 声優本人名義部門

10選4年目です。
今年も100選(2019_100曲 - Google スプレッドシート)から10曲を選出していきます。


こちらは「声優本人名義部門」です。
総合部門
二次元コンテンツ部門
声優本人名義部門: ←いまここ
VOCALOID部門
Vtuber部門



対象楽曲はゆるく【2019年発売/配信開始/試聴公開
本人名義ソロやユニットなど、キャラクター名義でないもの。
数字は通し番号。順位ではない

1. 群青インフィニティ - 東山奈央


あわよくば他のアルバム収録曲も聴いてほしいと思いMVではなくXFDを貼りました。
詞・曲:東山奈央。やば。
特に「群青インフィニティ」の名の通り、天へ突き抜け、突き抜け、突き抜けていくサビメロは、“歌える”人だからこそ生まれる珠玉の一品。
他の100選選出曲 : 『I Want You To Know Baby』『さよならモラトリアム』

2. Present Moment - 富田美憂


最初の試聴動画がアップされてから2か月くらいずっと一人で名曲名曲言ってた。
みんな気づいてくれてよかった。(後方彼氏面)
2017年ごろから富田美憂ソロデビューはいつになるだろうかと期待し続けてきたので、満を持してこんな大正解が出てきたのがめちゃくちゃ嬉しかったです。
一般的なシンガーと反対に、高音に行くと響きが「広がる」独特の歌声にこれからも期待たっぷりです。

3. セイシュンゼミナール - Study [白石晴香, 富田美憂, 鈴代紗弓]


若さのパワー全開な曲調に、どこか大人びたエッセンスが散りばめられたセイシュン感がたまらない。
Aメロ入りからフィルとビートがばっちり気持ち良く支えています。
AメロはⅠ>Ⅰ>Ⅶm7-5>Ⅲ7とサビで使われてもおかしくない王道の進行。
サビはこれ↓。ひたすら5度を行く無色な情感が切なくまっすぐ刺さる。


Studyはライブも本人たちの熱が入っていることを感じてアツかったです。
メンバー追加で二度おいしいユニットでした。
活動もっと続いてくれないかな~
他の100選選出曲 : 『ready STUDY go!』『Can now, Can now』『関係≧方程式』

4. ダイアローグ+インビテーション! - DIALOGUE+ [内山悠里菜, 稗田寧々, 守屋亨香, 緒方佑奈, 鷹村彩花, 宮原颯希, 飯塚麻結, 村上まなつ]


詞・曲:ZAQ x 編曲:堀江晶太!了解!
何がすごいってユニットの配信番組第1回からの超短期間の間に、そこで表れたメンバー8人のパーソナリティをばっちり自己紹介パートに入れ込んでくるZAQさんのプロ仕事。
さらに、編曲ってこういうことだよな……となる堀江晶太神のセンス。
8人分全パート、アレンジが歌の中身と噛み合いすぎていて宇宙。僕が一番好きなのは「はーいはい さぴひかーり」の刻みです。
ユニットとしては、いきなり大舞台に放り込まれるような中でも制作陣の熱量についていくメンバーたちのポテンシャルも見どころ。
来年には全曲田淵智也プロデュースのミニアルバムが出たりします。
地味な点ですが、試聴動画で歌声が顔と名前と一致するような気配りがされていたことに、おお~と思わされました。
『はじめてのかくめい!』(詞・曲:田淵智也 x 編曲:田中秀和)はみんな書いてるだろうからサボりました。

5. invincible self - 駒形友梨


indigo/駒形友梨 - mora
絶対聴いてほしいからたくさんリンク張っちゃった。
今年も歌が上手くてありがたい、駒形友梨お姉さんの2ndミニアルバム『indigo』より、疾走感を体現するようなTr.3。
エネルギッシュなストリングスとドラムがビートを刻むイントロからノンストップでボルテージが上がり続ける、まさしく"invincible"なサウンド構成。
明らかに激ムズなハイトーンを行ったり来たりするメロディを軽々といった印象で歌い上げる歌うまお姉さん。ありがとうございます。
他の100選選出曲 : 『おそろい』(作詞:駒形友梨)、『August 31』

6. ファーストプロット - 夏川椎菜


1stアルバム『ログライン』より、リードトラックにして最終トラック。
そして1曲目『パレイド』(2018年10選選出)から続くlogline<筋書き>のfirst plot<第一稿>。
作詞:夏川椎菜
TrySailのライブでサプライズ初披露されたときの、強く確かな、しかし同時に今にも壊れそうな印象は忘れられません。
「自分しか救えない きれいなうた」(パレイド)を「君の歌もいつか歌えますように」と自身の言葉で包摂したアーティスト・夏川椎菜の第1章はここに結ばれた。
と思いきや、1stライブですべてを覆されたので負け。第0章でした。
1stライブのBDが出るので見てください。貸すので。

7. ステテクレバー - 夏川椎菜


同じく『ログライン』より、ドチャクソブチ上げブッ壊れハイパーロックチューン。
Spotify見たら最新アルバムを差し置いてダントツで一番聴かれてるらしい。わかります。
作詞:夏川椎菜
「捨てて・clever」もしくは「捨てて来れば?」らしいです。
初作詞でこんな完璧グルーヴを作るんじゃあないよ。勝てん。
自身のブログの文章が話題となり、今年は初の本格的な小説もリリースした夏川先生が、SNSバチバチに揶揄するパワー全開な詞ですべてを吹き飛ばしてくれます。
若さゆえの捻くれなんかにはもはや収まりきらない共感と拒絶を揺れ動く感性、どんどん供給してほしい。
ライブではイントロ1音目を聴いて脳がなくなったので細かいことは覚えていません。

8. グレープフルーツムーン (Album Mix) - 夏川椎菜


ン?はい……
同じく『ログライン』より、1stシングル表題曲『グレープフルーツムーン』のアルバム版です。
アルバムミックスとはいえ、シングル版と異なるのは、本当にミックスバランスのみ。
『ログライン』制作にあたり、TDでは「一度出したベースは下げない」と決めて音作りをしたとのことで、声優のアルバムでありながら、全曲通して必ずしもボーカルの聞き取りやすさを至上命題にはしていないバランスになっています。
この曲は頭サビの歌始まりが印象的で、シングル版で曲頭最初にやってくるのは張りのある歌声の印象です。
一方アルバム版では、透き通った歌声は直後入ってくるピアノとアコギに寄り添われるように、ストリングスと共に浮かぶようにして曲の中へと進み入っていきます。
シングル版が夏川椎菜の歌声を主人公とした物語の上演だとすれば、アルバム版は語り部夏川椎菜によく似た少女の出てくる一篇の絵本。
シングル版の伴奏は子守唄、アルバム版の伴奏は殻を破り生まれ出る音。
今の私ならそんな風に言語化します。
1stシングルから2年分の時が、“たかが”音の違いにこれほどまで込められるということに、ますますミックスとかいうのわからんと思うようになったのは良かったのかどうなのか。

9. キタイダイ - 夏川椎菜


このエントリのこと2019年夏川ランキングか何かだと思っているんじゃないか。はい。いいえ。
結果だけ見れば夏川椎菜イヤーです。
こちらは9月リリースの1st EP『Ep01』より、またも作詞:夏川椎菜
「つまんない今日を1日 ボヤけたまま過ごして 退屈な日だって 言えるの?」
グサグサと刺さるのなんのといったら、マジでつらい一曲ですが、うるせーーーー!!知らねーーーー!!ブッ飛ばせーーーーーー!!!!!と言わんばかりのサウンドに乗るからこそ、むしろ生きる力として背中に突き刺さる曲になっています。「自分だけが理解できりゃいい」。
サビ裏のテテテテテテテウーーーン テルルルルルル トゥウー↑ー↑ー↑ン ペルルルルルルルが脳破壊サウンド
同EPリードトラック『ワルモノウィル』も夏川作詞でバチバチです。

10. ロマンロン - 楠木ともり


先日20歳を迎えたばかりの俊才の爆弾。
作詞・作曲:楠木ともり
お、林檎か?といった風のシンガーソングライター然としたAメロから展開していく先が3連符連打からのボカロ世代らしい外連味たっぷりのサビメロなので圧倒されっぱなし。
壮絶みすら感じる歌声を浮遊感と不安感で煽るような重永さんの編曲もハマっていて強力なエネルギーを持った楽曲になっていると感じます。




みんながどうせ書いてるからサボった曲→『Sunsetカンフー』
役者の表現が好きだなと自覚した2019年だったので、本人作詞作曲が多数印象に残ったのも納得。
声優ソング、面白がり方はまだまだいろいろあるなと思いました。